重要刀剣候補 小太刀『高実』(鎌倉末期 出雲)

説明
現存する物はこの一振りのみと思われ、たいへん貴重な出雲『高実作』の小太刀です。
銘鑑によりますと「高実 出雲 鎌倉末期」とあるだけで、系統は全く不明です。
久能山東照宮に「高実」在銘の太刀がありますが、まったく作行が違い、古備前ないし古伯耆のような感じのする物です。

姿は摺上られているためか踏ん張りはありません。三寸程度摺上られていますが元々細身で小切先、あまり反りは強くなかったようにおもえます。
細身の儀仗用衛府太刀拵に入っていたのではないでしょうか。
茎は摺上られ茎尻、太刀表に『高実作』の銘が残っています。摺上後の鑢目は切、元の鑢目はわかりません。
刃は細直、小沸出来きで匂口しまり刃はたいへんに明るく、沸、匂いともムラがなく名刀の条件を備えています。
太刀表の横手下の鎬寄りの地に飛び焼きがみられます。
帽子は上品に小丸に返っています。
地肌は小板目よく詰みもこの時代のモノとしてはキズ気が全く見られず欠点のない名刀と思います。
この刀の拵え『宗典』(保存刀装具)の一作で見事な朱鞘です。

法量
全長 77.35cm
刃長 62cm
反り 1.2cm
元幅 25.5mm
先幅 15.2mm
元重 5.0mm
先重 3.7mm
重さ 415g


『高実作』特別保存刀剣の拵え

説明
『高実作』朱鞘の拵えになります。
朱塗もケバケバしい朱ではなく落ち着いた良い朱です。

『宗典』の縁頭、鍔の一作、赤銅の菊華高彫り象嵌で素晴らしい物です。
二度「銘に研究の余地あり」で戻ってきましたが、三度目で保存に合格しました。

博物館に確認したところ、作行きはよいが銘が通常の物とは少し違うが、良いと思う、との事です。
拵え全体も江戸後期を下らないものなので大事にしてください、との事でした。
目貫は金無垢の羊だと思います。
鍔の櫃穴は金で埋められています。
かなりの上級武士の持ち物と思われます。 ※鞘の棟側に割れがみられます。

法量
頭
長径36.1mm
短径17.1mm

縁
高さ11.6mm
長径38.9mm
短径23.7mm

ツバ
長径76.2mm
短径70.3mm
茎穴長さ23.5mm
茎穴幅7.7mm

柄の長さ209mm
鞘の長さ686mm




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