カテゴリアンティーク、コレクション工芸品陶芸日本の陶磁九谷茶道具その他状態やや傷や汚れあり（詳細）インドネシア　ラスム　１９ｃ手描き茜染め更紗頭布　95cm×100cm　極美品

茜染めの赤の発色が極めて明瞭で美しい、１９ｃジャワ島北岸“ラスム（Lasem）”作の手描き茜染め更紗。
スマトラ島パレンバンの貴族・富裕層向けに手掛けられた頭布”クパラ（kepala）”で、95cm×100cmの大きさがありクパラとしては比較的大きなサイズのもの、蝋描き・媒染染め（茜）・描き染め（藍）が布両面で巧緻になされており、アリザリン合成染料（化学染料）が使用される前のラスムの木綿赤染めがインド更紗に伍する技術の高さに達していた様子を伺うことができます。
”ガンゲン（海藻）模様”が元と考察される渦巻き状連続文を主模様に、パレンバン・ジャンビの頭布に顕著なアラビック文、更にインド更紗の影響が色濃いことを表す多層ボーダーと”ヤントラ模様”が交配されており、海洋交易の中で熟成した染織作品としてデザイン面においても興味深く見所の多い一枚です。
描き染めの藍を併せて色彩の状態は極美レベル、１９ｃラスム茜染め更紗頭布の完品として資料的に貴重なものですが、サイズ・カタチ・コンディションを生かして茶裂等として実用をお愉しみいただくこともオススメとなります。世界に一点のみの表情・生命感を有するアンティーク染織の逸品です。
長さ約５ｃｍの布裂けと縫い補修（※画像参照）及び透かすと判る程度の小穴が数箇所ありますが、全体に目立った欠損・ヨゴレ等は無く、糸・布の強度はしっかり保たれており、１９ｃ末のアンティーク作品としてはコンディションは極上レベルと言えます。布４辺は織り耳ではありませんが、かがり縫いやフリンジ縫いを解いた痕跡はなく、製作時のままの状態と考察されます。

○製作地　インドネシア・ジャワ島　ラスム　Lasem　／　○使用地　インドネシア・スマトラ島　パレンバン　Palembang
○製作年代（推定）　１９世紀末
○素材　木綿、天然染料（茜・藍）　／　○技法　手描き蝋防染、媒染、描き染め、両面染め
○サイズ　９５ｃｍ×１００ｃｍ

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